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売れるフィギュアと売れないフィギュア(売れるフィギュアを作るには?)

別にフィギュアに限った事では無いけれど、商品である以上
フィギュアは二種類に分かれる。売れる物と売れない物だ。

ではその違いはどこにあるのか?
個別に考えるとゴチャゴチャになるので、売れるフィギュアを考えてみる。
ちなみに今回は非可動の固定フィギュアに限った話。


フィギュアが売れる要素は大小様々ではあるが、
その造形の仕方を極端に言えば二つの要素で説明出来る。

一つは、元になるキャラクターの(魅力の)再現度が高いフィギュア
もう一つは、造形自体に魅力があるフィギュア

大別するとシンプルなこの二つだけである。
それぞれをもう少し詳しく考えてみる。


再現度が高いフィギュア。
つまり好きなキャラクターをそのまま立体化したフィギュア。
好きな物そのものを差し出されれば、ファンなら誰でも嬉しいだろう。
当然これは売れる。

しかし、再現一言で言うが、それはどういう事だろうか。

例えば、キャラクターの設定画と見比べて、フィギュアを正面から見た時、
まるでトレス画の様に大きさ、形、色、瞳のデザインなどそっくりそのまま。
これは間違いなく再現度が高いと言えるだろう。
しかし、横から見ると頭全体が四角くて、少しでも角度をずらせば人間の身体とは
とれも認められないような奇妙な形をしていたとしたら、これは売れにくくなるだろう。

または、どの角度から見ても破綻が無く、原作の設定画にそっくりに作れているとする。
ところが、そのキャラクターはアニメで多くのファンを掴んでおり、アニメ化された際には
元々の設定画とは大きく異なり、アニメ版独特のキャラデザで活躍していたとする。
これもやはり売れにくい。

こんな様な事を言うと、再現度の高さだけが売れる要素とは言えないじゃないかと
言いたくなると思うけれど、実はそうでもない。

上記の売れない例と言うのは、一見再現度が高い要素がある様に思えるかも知れないが、
実際には再現度が低い物の例になっている。

どういう事かと言うと、

「再現度」

再現出来ている度合いと言う意味だが、
上記の例では、この言葉を構成するための重大な要素が抜けているのだ。


それは、「何を」再現しているのか、と言う観点だ。

設定画と顔がそっくりだとか、実際には使われていない設定に合わせていると言うのは
ここで言うべき「再現」をしていない。だから売れないのだ。

では、何を再現していれば、再現度が高いと言えるのか。


それは、「顧客のイメージ」だ


メーカーが狙っていようがいまいが、商品ごとにターゲット層と言う物は自然と絞られてくる。

フィギュアにおける「再現度」と言う言葉は、ターゲットとなる層がそのキャラクターを思い浮かべる時に
イメージする抽象的な像に忠実に作られているかどうか、と言う事に限られている。

つまり、何らかの資料に基づいて忠実に作っていようがなんだろうが、
顧客のイメージに合致していなければ、「何か違う(何か変)」の一言でばっさり切り捨てられてしまう。

勿論、顧客の中には「いや、これはある設定に注目すれば実に忠実に作られているよ」と言う視点を
持っている人も存在するだろう。

しかしそれは、再現度の高さを証明するものではなく、
あくまでも「ある設定に対して忠実である」事や「メーカー側の設定をなぞる技術を評価する」と言う事でしかない。
いかに識者に認められようと、それでは数は伸びない。


では、仮に、ここで言う様な顧客イメージの再現をしなければいけないと言う前提に立った時
そんな事は不可能だろう、と言う様に思えるかも知れない。

個々人のイメージは千差万別、ずれもあれば思い込みもある。
ましてその中の一つに絞ってですら、具体的な図画にする事は物理的に不可能である。

そんな物は再現しようがないではないか?


確かに、100%の精度は現実的に求められはしないだろう。
90%ですら難しいだろう。

しかし、そこで諦めず、ちゃんとそのキャラクターに向き合えば、
逆に言うと、決して可能性が0%と言うわけではないはずだ。

出来るだけ顧客イメージを再現するためにはどうすればいいのか?

それは、顧客全体が、そのキャラクターのイメージを構築するために用いられた
資料の中で、最も多く参照された物は何か?と考えればよい。

わかりやすい例を出すと、コミック原作の作品で、その頃から全くの無名と言うわけでもないが
単行本を10巻出したところで累計発行部数は5万程だった(1巻毎単純計算で5千程度)
しかしこれをアニメ化した途端大ヒットし、DVD・BDが1巻毎に10万枚以上を売り出した。
ちなみに、コミック版とアニメ版ではキャラクターデザインが異なる。


ここまで言えば、まず、再現度を高めるために、選択するべきキャラクターデザインは
コミック版、アニメ版のどちらにすべきかは分かるだろう。

この後も、同じ様に少しずつ要素を狭めていけば良い。
一方、極端に要素を絞り過ぎてもいけない。イメージと言う物はどこまでも抽象的で
絶対的な正解は有り得ない。イメージの中心から遠い所を削っていきながら、
中心に近い要素をある程度複数残す程度で良い。

例えば作品内の時期に合わせて、ストレート、ポニーテール、大きなリボン装着、ショートカット
等と言う風に変化していったとして、この中のどれか一つまで絞るよりは
この4種類を残しておいて比較する事で、このキャラクターの登場時期の多くは
ロングヘアーだった、と言う事にも気づけるだろう。

そこでいきなりショートカットを選ぶと言うのは、少なくともスタート段階では
捻り過ぎと言う物だろう。かように、要素の選定にはある程度遊びを持たせておいた方が良い


そうして、最大公約数的な幅をついていけば、少なくともファンの中の過半数のイメージと
合致する様な像が見えてくるだろう。

企業の努力はそこまでのイメージの絞り込みが出来た所がスタートラインであり
これが一言で言ってしまうとマーケティングと言う物だ。

スタートラインと言ったが、上記のイメージ作りが出来たからマーケティングをやったとは言えない。
あくまで、マーケティングをする対象を絞り込んだに過ぎず、この時点で60%程度まで
顧客のニーズを満たせているとしたら、これを可能な限り100%に近づけていく事、
近づけられる能力がその企業の能力と言う事になる。

不振が続くメーカーは、まずこのスタートラインに立っていないと言う事がほとんどだ。
何となく人気が有るらしいから何となく手を出して、何となく失敗していくのだ。
目標が正確に定まっていないので、失敗の原因を追究しようとしてもそれもまた的外れになる。
結果として、良いキャラクターの商品化の機会を得、ファンに期待をさせながら
全く見当違いの方向に走り、その機会を台無しにしてしまう。
そして同じ事を繰り返すのだ。


また脱線したが、顧客の好きな物を再現すれば売れると言う事、
そして再現するべき「顧客の好きな物」とはイコール「顧客の頭の中のイメージ」だと言う事が一つだ。


もう一つは、ある意味で上記の内容を全て覆してしまう。

つまり、似てなかろうがまるで別人だろうが、あるいは全くのオリジナルキャラクターだろうが
魅力的な物は売れる、と言う事だ。

これは元の絵に関わらず、独自のオリジナル造型を持っている原型師が
逆にキャラクターを自分の造形に当てはめて作る様なフィギュアの事だ。

これは新しいニーズの創出と言う様な物で、
先の例の、元々存在するニーズを満たす事で商売を成立させる方法とは
全く違うアプローチとなる。

通常、こう言った独創的な物を、狙って生み出す事や、
それが売れ始める前にその魅力、波及効果を推し量ると言う事もほとんど不可能に近い。

こう言った、オリジナル造型のフィギュアと言う物は
一般的に、原型師の造形力の高さで売れるのだと思われているが
(実質的にはイコールであり正しいのだが)
本質的に評価されているのは、そのオリジナルのデザインである。

それをわざわざ言及する意味は何かと言えば、
つまりデザインの部分と造形の部分を切り離し、分担する事は可能と言う事だ。

企業はこの点に注目し、名のあるイラストレーターにデザインを依頼し
それを忠実に立体化出来る原型師によって立体化する。

この利点は、まあ色々あるが、
一つ言える事は、結果を想定しやすくなると言う事だ。
原型師が作らない限り世に現れる事が無い原型師独自の造形デザインとは違って
こちらの方法では元となるデザインが有り、イラストが有る。
そうなれば「再現度」の土俵で勝負が出来るからだ。

この場合はデザインと、そのデザインに対する顧客のイメージを再現する事になる。
そして人気が有るイラストレーターのデザインを「再現」出来れば当然売れやすいと言う事だ
(2次元の人気=3次元の人気ではない事は一つ)


しかし、確かにキャラクターのイメージ通りに作れている、
そのデザインをそのまま完璧に立体化している

なのに販売数が振るわない。
そういう商品も存在する。


それは何故か?


既に結構長くなっているので、続きはまた次の機会に。
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